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スマホが通訳に変身:Google Pixel Buds登場

◆ 機械翻訳から AI 翻訳へ

 ちょうど2年前のことですが、Skype に通訳機能が登場したという記事を投稿しました。

 今度はGoogle 社から、通訳機能付きのイヤフォンを発売するというニュースが流れてきました。

 余談ですが、英語では “translation(翻訳)” という言葉を使って紹介されていますが、アメリカでは、通訳者も翻訳者も “translator”とするのが一般的で、日本やヨーロッパのように区別されていません。実際は、デモンストレーションされている通りで、人と人との間に入って言葉を置き換えているので、日本語的には通訳です。

 通訳・翻訳を仕事にしてきた私としては、「ついにここまで来てしまったか」というのが正直な感想ではあります。

 思い出すのは、1990年代の後半だったと思いますが、機械翻訳システムの開発現場に入ったことがあります。当時の印象としては、実用化までは相当に時間がかかるだろう、ということでした。

 最近、コンピュータによる翻訳能力が急激に伸び始めたのは、AI(人工知能)開発の分野で大きなブレイクスルーがあったからなのだそうです。

 以前は、「機械」翻訳といわれていたように、人間が翻訳するための論理構造をあらかじめコンピュータに与える(人がプログラムする)ことで、翻訳しようとしていたのですが、AIを使うようになったためにコンピュータのほうがが学び始めたのだそうです。このことで、急速にこの分野が進歩し始めたわけです。

◆ 通訳機能は、Google アシスタント機能の一部

 さて、今回発表されたこのイヤフォンですが、これは通訳専用に開発されたわけではなく、Google アシスタントを使うために開発されたもののようです。

 新製品の発表イベントでは、アシスタントに何をさせることができるのかの目玉として、通訳機能が紹介されたということですね。

 イヤフォンとスマホの間はブルートゥースで接続されているのでワイヤレスです。右側のイヤフォンに指で触れることで、持ち歩いているスマホのアシスタント機能に話しかけることができるようになっています。

 対応言語は、40カ国語で、訳に必要な時間は1秒ほどだそうですから、旅行などの際に、通訳がそばにいるのと変わらないような安心感を得られそうな予感です。

 ただし、現時点ではどうやら Google 社製のスマホ Pixel を使わなければならないようです。

 ところが、実はこのスマホ、昨年モデルから日本での販売が見送られています。もちろんこの時代ですから、個人輸入でも入手できますが、ちょっと寂しい気がします。どのような理由が背景にあるのかも、気になりますね。


◆ 語学の学習は不要になるのか?

通訳・翻訳のイメージ画像

 さて、こうなってくると、皆さん、英語の勉強が必要なくなるのか、と思いませんか?

 単純に言葉を置き換えるだけの作業であれば、AIに任せておけばよいという時代はもうすぐそこに来ています。

 でも、単に言葉が通じることと、お互いにわかり合えるということとは、必ずしもイコールでは、ありません。この点については、言語と異文化のページに詳しく書きましたので、是非ご参照下さいね。

 日本人同士のコミュニケーションでも、そうですよね?相手が話す内容を文面で捉えていているだけでは、理解し合えるとは限りません。

 また、同じ内容のことを伝えるのであっても、その場その場の状況にあった言葉選びが必要で、そこを間違えてしまうと伝わることも伝わらないということは、体験的に学んでいる方も多いと思います。

 ですので、語学の勉強は、言葉を学ぶというよりは、その言語の背景にある文化や考え方を学ぶことと捉え直すほうが、よいかも知れません。

 また、もっと身近なところで考えるなら、例えば旅行であれば、つなない言葉であっても身振り手振りでなんとかコミュニケーションするほうが、旅行としては楽しいように思いますし、記憶にも残るはずです。

 いずれにしても、AI通訳や翻訳が便利になるからといって、語学の学習を止めてしまうのは、かなり勿体ないです。

 仕事としても、クリエイティブな能力が必要だということが、AIが出てきたことによって、かえって浮き彫りになってくるはずだと、私はそう考えています。

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