人工知能翻訳のイメージ画像翻訳を生業としている私が、こんな話をするのはおかしいのではないかと思われるかもしれません。でも、便利なものは便利。使わないのは、もったいないです。

コンピュータを使った翻訳は、機械翻訳と呼ばれてきましたが、これはそろそろ名前をAI翻訳と改めた方が良さそうな感じです。基礎となっている技術に大きなブレイクスルーがあったようですし、その能力が急激に進歩しているというのがその理由です。

身近な具体例を挙げるなら、フェイスブックでしょう。

私は、英語以外の言語を母国語とする人達ともフェイスブックでつながっていますが、英語や日本語以外の言語で書かれた投稿については、ワンクリックで英語に翻訳するように設定してあります。使ってみると、まずその翻訳の速さに驚きますし、訳文を読んでいても違和感を覚えることはあまりありません。日本語への翻訳は使っていませんが、かなり役立つレベルまで来ているのではないでしょうか?

フェイスブックのAIが採用しているニューラル・ネットワークは、畳み込み(Convolutional neural network)と呼ばれる独自のものだそうで、先月同社の中央人工知能研究所が発表した論文が注目されているようです(出典 Wired のこちらの記事)。

でもフェイスブック社の凄いところは、この技術をオープンにしたことです。

そうすると気になってくるのは、日本ではどうなっているのか、ですよね?つい先日みかけたニュースなのですが、「TOEIC900点程度のスコアを持つビジネスマンと同等以上の作文能力があることを確認できた」とアピールしている日本の会社があると知りました。(こちらのサイトです)。同社のサイトには、その翻訳能力を日英・英日の両方向で試すページも用意されています。

以下は、その結果です。

(原文) This website is being created wishing to bridge the cultural difference between Japan and English speaking countries.

(訳文)このウェブサイトは、日本と英語圏の国々との文化的違いを橋渡しするために作られています。

翻訳調ですが、意味は訳出できていますよね!「橋渡し」とか「英語圏」といったあたりは、これまでの機械翻訳では出来なかったことではないかと思いますが、いかがでしょうか。これならば使ってみようと思われる方も多いかも知れません。

あ、でもお試しを使う前に、使用許諾にしっかりと目を通しておいて下さいね。著作権云々の話だろうと予測しながら、私もざっと目を通していたのですが、内容はそれだけではなかったのです。素人考えですが、私には、「技術をオープンにしてみんなで考えようぜ」という大きな流れに、背を向けているように読めてしまいます。日本の会社だからというつもりはありませんが、98とDOS/Vの話に似ているような気がするワケでして……

そんな昔の話はいいとして、AI翻訳、試してみて下さいね。別に自暴自棄になっているわけではありませんので、念のため♫