エンゲージメントと引き寄せの法則

◆ そもそも何故、カタカナなのか?

 エンゲージメントというカタカナ言葉を最近よく目にするようになりました。「婚約」という意味があることは、みなさんご存知だと思いますが、インターネット上でカタカナ言葉で用いられると、「やりとり」のことを指しているような感じです。でも、どういう意味なのでしょうか?

 英語の発音をそのままカタカナで置き換えてしまうのは、その言葉の意味を適切に表現する日本語がないからです。

 engagement を英和辞典で意味を調べてみても、婚約の他には交戦、従事、かみ合っていること、などなどいろいろな訳語が出てきて、「インターネット上のやりとり」につながるようなものはありません。なので、さらに分かりにくくなったりします。

 何かの概念的なことが、カタカナで置き換えられて日本語として使われている場合は、ほとんどが同じ状況だと思います。こういう場合は、英語の辞書(英英辞典)で、その言葉の定義を調べるしかありません。

 私なりのengagementという言葉の語感は、「ある状態から、一線を越えて中断や後戻りがしにくい状態になること」です。

 分かりやすい例は、皆さんご存知のengagement ring(婚約指輪)ですね。「婚約」という言葉には、結婚に向けて大きな責任を伴うという意味で、後戻りしにくい(不可能というわけではない)いうニュアンスもありますね。

 別の例としては、「戦闘開始!」でしょう。映画の戦闘シーンなどでは、”Engage!”という言葉が聞こえてくることが多いはずです。

 ではちょいと飛躍しますが、”fund raising engagement”はどうでしょうか?

 日本語として意味が通じるようにするなら、募金活動への参加ぐらいになりそうです。でも日本語の『参加』という言葉は、行きたくなければ行かなくてもよい感じで、engagementの訳語としては、しっくりときません。

 なのでこの場合は、普段はあまり使わない言葉かもしれませんが、『募金活動への参画』あるいは、『従事』とするほうが良さそうです。

 いかがですか?このように、engagementという言葉は、後戻りしにくいような一線を越えた状態になるという部分が日本語には訳出しにくいのです。

 なんだか、異文化の香りがしてきます(笑)。

◆ インターネット上でのエンゲージメントとは?

 さて、エンゲージメントという言葉は、インターネット上でのマーケティングを気にし始めると、よく出会う言葉です。

 例えばブログ記事に対して、意見や質問、感想などのコメントを投稿するのは、エンゲージメントです。でも、単なるひやかしの書き込みはエンゲージメントではありません(ひやかしから始まってエンゲージメントにつながるかもしれませんが)。

 ネットマーケティングでは、このエンゲージメントがキーワードのひとつになっています。ツイッターでは、よく「絡む」という言葉を使いますが、人の投稿をながめるだけではなく、「やりとり」をしましょうという意味で、engagementです。

 ところで、これは余談になりますが、ネット上には発信することばかり考えていて、自らはエンゲージメントをしない人達がたくさんいます。ホームページやブログが珍しかった頃は一方通行的な使い方でも十分だったのですが、それはもう昔話の領域だと、私は考えています。

 で、ここからは私が感じていることなのですが、自らエンゲージメントをしない人には、エンゲージメントは還ってきません。

 それは、こちらが何らかの働きかけをした人から直接返って来るという意味ではなく、意外や意外、他の人達からも返ってくるという意味です。実はこの部分そこがインターネットを使う面白さのひとつなのです。仕事に役立てるという意味であれば自分からエンゲージメントすることは、必要不可欠です。

 ビジネス目的のマーケティングではなくて、個人的な趣味や楽しみだともちろん別のハナシになります。

 お付き合い(英語的にはsocial obligationとか)で投稿に反応することって、私もよくあります。ブログよりもソーシャルメディアだと特にそうです。それはそれで意味のあることですが、本来の意味でのエンゲージメントとは少々異なります。具体的には、その行動の先の目的がないからです。

友だちづきあいって、そういうものですよね♪

(2018年12月13日一部に書換え)

 

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