ロールアウトと異文化

ロールアウトの意味は、提供開始じゃダメなの?

なぜカタカタなのか?

 洋物のソーシャルメディアのアプリを使っていると、ロールアウトという言葉を目にすることが多いです。「新機能のロールアウト開始」みたいな感じで、使われています。

 「新機能の提供開始」ぐらいでも十分に意味は通じますが、コンピュータ上で使うものの場合には、これだと抜け落ちてしまうニュアンスがあります。

 現在の情報処理の多くは、分散処理という考え方でシステム全体が構成されています 。以前は、大型汎用機(メインフレーム)ひとつで、ドカンと処理を行う方式が主流でしたが、現在は小さなものをたくさんつなげて、分担して仕事をさせているわけですね。

 なので、一部のサーバーが担当する範囲内でテストしていたものを、つながっている他のサーバーに広げるのがロールアウトなのです。こう説明すると、この言葉の語感がなんとなく伝わると思います。

 ロールアウトという言葉はまた、マーケティングでも使われますが、その場合は、訳語としては「本格展開」という言葉を充てることが多いようです。

 製品やサービスのテスト販売を行ってみて「これで行こう」という場合ですね。日本国内の市場に限ったことであれば、「全国展開」という言葉がピタリとハマる場合が多いように思います。

SNSアプリのロールアウトに見つけた異文化

 で、このロールアウトで最近気になっているのが、フェイスブックです。

フェイスブックのいいねアイコン

 スマホからのライブ配信機能を提供したあたりから、アプリの更新の多いこと。スマホの設定を自動更新にしていると気付かないかもしれませんが、しょっちゅう更新している感じです。

 でも実はこれ、新たに提供される機能が、全員に行きわたるとは限らないと知りました。

 「ん?」ですよね!

 細かな話になりますが、パソコンからダイレクトにライブ配信する機能のロール・アウトが、日本では途中で止まってしまったようです(2017年3月時点)。周囲の人に聞いてみたところ、できるようになった人とそうでない人の割合は、半々でした。

 私は使えるほうなのですが、使えるようになってから、もう二ヶ月以上になります。ロールアウトにそんなに時間を要するワケがありませんので、これは途中でやめたとしか考えられません。

 インターネット系のソフトウェア開発というのは、走りながら考えるアメリカンの典型のような展開になっているようなのですが、ロールアウトが途中で止まってしまったのは、その一例なのかも知れません。

 その他にも、洋物のソーシャルメディアに特有なのが、特定の条件を満たさなければ、使えない機能というのが、実は結構あったりします。

 例えばYouTubeでは、「チャンネル登録者数」によって、使える機能が増えていくというサービスの提供の仕方になっています。

 フェイスブックのほうにも、同様の考え方で提供されている機能が、フェイスブック・ページに関する機能で見かけます。

 こういうのって、日本のソーシャルメディアには、ないですよね?私が知らないだけでしょうか?

 最近、ネット上の様々なサービスで有料化が進んでいるようですから、それと並行するように、「人を集める能力がある人達」が優遇されるように、これからどんどんなっていくのかも知れません。

 こんなところにも、全員を等しく扱うことがあたりまえの日本と、能力がある人にはチャンスが広がるアメリカンの違いが出ているように思います。

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