未知との遭遇、AI面接編

 企業の採用担当者が、AI(人工知能)になる、しかもPepperが面接する?

 さすがにこのニュースを目にしたときは、驚きました。

 私のAIのイメージは、黒子。コンピューター上で提供されるサービスの裏に隠れていて、目に触れるものではないと、勝手にそう考えていました。例えば、高速道路のサービスエリアや商業施設のレストラン街などでAIが活躍し始めているそうですが、これは人で混雑する場所での誘導に使うことで、待ち時間を最小限にするというもの。いい感じですよね?

 でも面接となると、まさに異次元の世界、未知との遭遇レベルです。

 最近の学生さん達は、就職活動に備えてキャリアカウンセラーの力を借りたり、セミナーなどに参加して就職活動に備えるようですが、AI面接の準備って、どうするのでしょうかね?ちょいと気になったりします。面接の時に自分の前にいるのが、Pepperだと想像すると、私なんかは、言葉数が大きく減ってしまいそうです。慣れ親しんだ状況の外側にいる時って、自然にそうなりますよね?もちろん、そんなことは計算のうちに入っているのでしょうが。

AI面接のイメージ画像

 私が気になったのは、AIがきちんと面接をできるのかという能力のほうではなくて、むしろその結果のことです。

 近年は、学生一人が何十社も応募をするようですから、採用する企業側としては、人手とそれに伴うコストの問題が解決するようです。でも、「人が面接をする場合とは異なって採用にあたってのぶれが無くなる」という部分については、考えてしまいます。

 ぶれが無くなることは、いいことなのでしょうか?

 ぶれの正体は、気持ちや感情によるものというのが、私の考えなのですが、これを排除してしまう方向に進みすぎると、どうなっていくのでしょうか。いえ、スタートレックのミスタースポック(ちょっと古すぎるかな)のような存在は、不要だと言っているのではありませんよ。特に法律系では、ピタリとハマる分野もありそうです。でも判断する対象が人になってしまうと、ちょっと違うような気がしてなりません。

 そうでなくても日本社会は、「周囲と同じであることを強いる」風潮が色濃いように思います。AIに面接を行わせて、採用のぶれがなくなっていくということは、この傾向がさらに強くなるような気がしてなりません。

 そういう結果につながるのなら、AI面接には、私はハッキリ反対です。

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